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ウォーロード/男たちの誓い

The Warlords 投名状
2007/香港=中国/ブロードメディア・スタジオ/113分
出演:パン・チンユン ジェット・リー ツァオ・アルフ アンディ・ラウ チャン・ウーヤン 金城武 リィエン シュー・ジンレイ 
監督:ピーター・チャン
脚本:スー・ラン、チュン・ティンナム、オーブリー・ラム
アクション監督:チン・シウトン
共同監督:レイモンド・イップ
撮影:アーサー・ウォン
http://www.warlords.jp/

偏差値:64.3 レビューを書く 読者レビュー(1) 予告を見る

ジェット・リー アンディ・ラウ 金城武 3大スター夢の競演!
かつて、これ程までに"熱い"男のドラマがあっただろうか──。


 ジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武。アジアを代表する超豪華キャストが結集した話題作が遂に日本上陸。西太后が君臨する激動の清朝末期を舞台に、義兄弟の契りを交わした3人の男たちの愛と友情、そして裏切りを壮大なスケールで描いた本作は、2007年中国興行収入No.1を記録。香港電影金像奨8部門独占、台湾金馬賞3部門受賞等、今、日本で話題の『レッドクリフ』を越えてアジアの映画界を席捲している話題作だ。

 時は19世紀末。アヘン戦争で腐敗した清朝の圧政下、太平天国の乱が沸き起こる。味方の兵を全て失った将軍パン(ジェット・リー)は失意のうちに彷徨っている時、2人の盗賊アルフ(アンディ・ラウ)、ウーヤン(金城武)に出逢う。2人と共に義兄弟の契り=【投名状】を結んだパンは、太平天国軍を次々と倒し、遂に南京を攻略。西太后からも厚い信頼を得、功労を讃えて金の官服を授かると共に、両江の総督に取り立てられる。しかし、来るべき新しい国のため闘うパン、ひたすら仲間のために闘うアルフ。2人の溝は深まり、想いも寄らない悲劇を巻き起こす。それは逃れられない運命だったのか。純粋に2人の兄への友情のために戦って来たウーヤンが下した決断とは・・・・・

 本作は、清朝末期に実在した両江総督の馬新貽の暗殺事件(1870年4月18日)をベースにしている。暗殺の実行犯、張文祥は事件直後に逮捕され、西大后は調査を命じたが、張文祥は殺害の動機を語らず死刑となった為、謎が謎を呼び、清の末期の四大怪奇事件として名高く、1973年の『ブラッド・ブラザース/刺馬』ほか、TV、舞台などで繰り返し題材となっている。『ブラッド・ブラザース/刺馬』は、『レッドクリフ』のジョン・ウー監督が、助監督の修行時代に最も影響を受け、後に『男たちの挽歌』を作るきっかけになったと言われる伝説的傑作だが、監督のピーター・チャンは、実際の事件の裏に秘められた義兄弟の絆に興味を掻きたてられて製作を決意したのであって、単純なリメイクではないと明言。激動の時代に生きる男たちの非情さ、胸が痛むやるせなさ、そして宿命の苦悶が涙を誘う事だろう。 『ラヴソング』『君さえいれば/金枝玉葉』『ウィンター・ソング』など、数々の傑作ラブストーリーを生み出したピーター・チャンが、男気溢れる熱いストーリーで新境地を開拓。アクション監督は『HERO』『LOVERS』のチン・シウトン。米国アカデミー賞ノミネートの経験を持つイー・チュンマン(『王妃の紋章』『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』)が衣装を、そして香港電影金像奨ほか数々の受賞経験を持つアーサー・ウォン(『シルク』『ワンス・アポン・ア・タイム/天地黎明』)が撮影を手掛け、ワイヤー・アクションを封印し、リアルかつ凄まじい迫力の戦闘シーンが実現した。

 3人の義兄弟の運命を狂わせて行く紅一点のヒロインは中国4大若手女優の1人シュー・ジンレイ(『傷だらけの男たち』)。『故郷の香り』のグオ・シャオドンがゲスト出演しているほか、中国・香港映画界から名優が結集。どこまでも仲間を想う、愚直なまでの誠実さが胸を打つアンディ・ラウ、2人の義兄弟への愛に引き裂かれ、あくまでも投名状に従う悲劇的なクライマックスが涙を誘う金城武、そして主演男優賞を総なめにしているアクションを封印したジェット・リーの鬼気迫る演技に瞠目する事間違いない。

 中国の原題【投名状】──それは水滸伝に由来する戦乱の中国で用いられた忠誠を誓う証のこと。死と隣り合わせの極限下で、信じられるのは[義]か[情]か。今、魂を揺さぶる男達のドラマが始まる──!

STORY
"投名状の誓い"は絶対だと信じていた──。

時は19世紀、清朝末期。アヘン戦争で消耗し、腐敗した清王朝の圧政下、中国民の苦しみが、太平天国の乱を引き起こした。清軍は退却を繰り返し、北京の防衛さえ危ぶまれた時、清朝軍大臣ディーは身分不問で民兵を募った。山賊、匪賊、ありとあらゆる人種が清軍に参加、中でも悪名高いのはホー・クイ将軍率いる魁軍だ。10年以上に及ぶ内戦の混乱の中、5000万人もの人々が飢餓や戦いによって命を落とした。 この時代、死ぬのはたやすい。生き抜くのが難しい──。

 3日3晩の太平軍との戦闘で、味方の兵士1600人をすべて失った清将軍のパン・チンユン(ジェット・リー)は、失意のうちに荒野を彷徨っていた時、運命の女リィエン(シュー・ジンレイ)と出会い、一夜を共にする。差し出されたお粥のお陰か、彼女の温もりそのものか・・・生きている実感を取り戻す。

 翌朝、目が覚めると女は姿を消していた。食料を求め、街を訪れたパンは、チャン・ウーヤン(金城武)と出逢う。清軍卸したての立派な靴を履き、見事な武術に惹かれたウーヤンは自分の村へとパンを誘う。その日、ツァオ・アルフ(アンディ・ラウ)もまた、いつもの襲撃から村へ戻って来た。ウーヤンの思惑に反し、アルフは「俺は盗賊で、おぬしは官兵だ」とパンを一旦は拒絶。一方、パンは運命の女リィエンがアルフの妻だと知りショックを受ける・・・・・。

 その晩、アルフ達はホー・クイ軍の略奪に合い、犬同然の扱いを受ける。屈辱的な扱いに仲間の為に清軍に入る事を決意するアルフ。軍に入れば、俸禄で家族を養え、武器を持つ事も出来、村も平和になる...。
ここに、パン、アルフ、ウーヤンの3人は投名状にて義兄弟の契りを結ぶ──【生死を託し助け合い、不幸も苦難も共に乗り越える。義兄弟を傷つけし者には必ずや死を。その者が義兄弟であれ、必ずや死を。天地山河にこれを誓う。裏切りには天誅を。】

舒城
 パン率いる軍は、シャン(山)軍と名付けられ、たった800人で、10日で舒城を落とし、一躍その名を馳せる。彼らはもはや盗賊ではない、真の兵士なのだ。パンの巧みな戦術で次々と太平軍を打ち破り、清の三大臣(ディー、チェン、ジアン)に謁見。しかし、シャン軍の勢力拡大を恐れたジアン大臣(クゥ・パオミン)は、ホー・クイ将軍(シ・チャオチー)率いる魁軍を監視役に就ける。ディー大臣(ワン・フイウィン)は褒美として5大隊と共に腹心のルー(チョウ・ポー)を差し出し、かくしてシャン軍とルー、そしてクイ軍は蘇州へ向かう。

蘇州
 蘇州の戦いは当初の予想を超えて1年以上続き、両軍共に武器・食料尽き果てて来た。このままでは共倒れする、と判断したパンとウーヤンは朝廷に物資供給の嘆願に出かける。一方アルフは仲間を巻き込んだ事に責任を感じ、戦いを終わらせるために単身蘇州城へ向かい、命懸けで蘇州城主(グオ・シャンドン)と交渉する。蘇将軍は、長期化した戦いで兵士らを飢餓死させる事を憂い、「4千人の兵士の命を救って欲しい」と言い残し、自らの命を犠牲にして投降する。4千人の捕虜と共にシャン軍に戻ったアルフ。しかし、パンはシャン軍の食糧不足を懸念し、4千人を虐殺。蘇将軍との約束を果たせなかったアルフはパンに激怒し、これ以上の闘いは無駄、と仲間と共に故郷の村へ帰る決意をする。蘇州は太平軍の本拠地・南京への入り口だ。南京を落とせば戦は終了する。それまでは一緒に闘って欲しい、とアルフに懇願するパン。シャン軍の要はアルフである事を一番分かっているのはパン自身なのだ。

南京
 パンの謝罪を受け入れたアルフたちシャン軍は、たったの3日で南京を攻略。太平軍を征服したパンは、西太后からも厚い信頼を得、功労を讃えて金の官服を授かると共に、両江の総督に取り立てられる。祝賀式典は4月8日正午と決まった。

 パンの勢力拡大を恐れた三大臣は密かにパン暗殺を企てる。南京陥落後、朝廷の許しを得ずに仲間に戦利品を分け与えたアルフもまた、朝廷から抹殺の指令がパンに下される。アルフ暗殺の噂を聞きつけたウーヤンは、原因は義姉リィエンにあると早合点し、次兄アルフの命を守るために彼女を殺してしまう。

 パン、アルフ、ウーヤンそれぞれの想いが錯綜する中、遂に就任式の日がやってきた。果たして"投名状"の誓いは守られるのか──?!

5月8日(金)TOHOシネマズ六本木ヒルズ他全国ロードショー!