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渋谷HMV。大後寿々花さんと行定勲監督が座っている

『遠くの空に消えた』DVD発売
行定勲監督、大後寿々花さんトークイベント(1/2)

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 『GO』の行定勲監督の新作『遠くの空に消えた』のDVD発売を記念して、行定監督と女優の大後寿々花さんが渋谷HMV3FイベントスペースにPRのためかけつけ、トークイベントが開催されました。今週号ではその模様をたっぷりとお届けします。

---『遠くの空に消えた』について

【行定】映画はお金がかかるものなので、ヒットするものが最初に企画される。僕等には、ヒットするためのものと、片や、ただ評価を得るために作る映画もあって、この映画はそのどちらでもない。僕の個人的に撮りたかった映画。そういうものは覚悟があって、見る人によっては全然面白くないんだけど、見る人によってはものすごく気にいっていただけたりする。スタッフの中でも、自分の中ではベストだという人もいたり、そうでもない人もいた。この映画はあまりたくさんの人に観てもらえなかったけど、意見が真っ二つに別れたことについては、僕はそれで良いと思いました。

行定勲監督

【行定】ちょうど『クローズド・ノート』をこの後に撮ってキャンペーンを回っていたけど、劇場の支配人が『クローズド・ノート』ではなくて『遠くの空に消えた』のパンフレットを持って来て「サインしてくれ」といってきた。「2歳の息子が大きくなったら見せたい映画だ」とポロポロ泣きながら言われたこともあった。僕はその時は『遠くの空に消えた』ではなく『クローズド・ノート』を宣伝しなくちゃいけなかったのにね。

【行定】ある人には「アングラの匂いがした」と言われて、まったくその通りだと思った。僕はアンダーグラウンドの演劇に影響を受けてるんですよ。アングラの匂いがする虚構の町。舞台ならすんなり受け入れられる町だけど、映画でもこれをやって受けないだろうかと思ってやってみた。

【行定】子供時代というのが映画に結実している。実際僕は子供だったんだけど、大人になって仕事をしたり子供を産んだりすると、子供時代というのがあったこと自体が奇跡だと思えて来るんですね。そういうものを断片的に感じてくれればいいと思う。僕にとってはすごく愛すべき映画になりました。

【大後】私はアンテナを作るシーンが好きです。アンテナを作るのに夢中になっちゃって、カメラが回ってるのを忘れちゃいました。この映画では、アンテナを作ったり、望遠鏡で空を見たりとか、普段自分ができない色んなことを体験させていただいた感じがします。

---ウンコ爆弾について

【行定】子供向けにウンコ爆弾を考えたけど、子供たちよりスタッフの方が盛り上がっていた。あれは実際は火薬を使っているわけじゃなくて、エアガスでバンとはじかせて飛ばしてるんですよ。もちろん本物のウンコじゃないけど、女の子の助監督が限りなくウンコを研究してくれた。「ウンコは私に任せてくれ」っと言うくらいリアルなウンコを作られて、「どっちが私が作ったウンコで、どっちが本物のウンコだと思いますか?」と聞かれて「こっちかな」といったら「まだだめですね」と真剣に作っていた。映画を作る人達ってのは馬鹿ですよね。そういうスタッフたちの姿が見られたのがよかった。

【行定】HMVに来るとトイレに行きたくなるんですよね。特に4階のトイレに行きたくなるんですよ。某有名な映画監督がトイレの大の方からなかなか出て来なくて、流れる音だけは聞こえてくるから、もう出て来ると思って待ってたら、それから15分くらい待たされた。で、やっと出て来たと思ったら、僕に目も合わせずにさっさと出て行った。それで、中を見てみたら、流れてなかったんですね。某有名監督の名前を言いたいんですけど言えない。

大後寿々花さん

---ヒハル役の髪型について

【大後】普段全然しない髪型なので、最初はどうなるんだろうと思ったんですけど、お母さんに聞いたら「お母さんが昔こういう髪型だった」と言われて、自分がお母さんの子供の頃の時代に行けたような気がして、心地好かったです。私は普段髪はおろしてるから、撮影で晴れてるときに、おでこがすごい暑かったのが一番苦労しました。

【行定】これって実はかつらなんですよ。俺、馬鹿だから、スタッフなのに、髪を本当に切ったんだと思ったんですよね。帰るときに彼女の髪がまた伸びてて、なのに気付かない。どうなってるんだろうと思って聞いたら、かつらだと言われて、よくできてるなあと思った。

---監督について

【大後】『北の零年』のときは私も小さかったので、遠い存在の気がしました。でも「こうしてください」と言われることもなく、のびのびとやらせていただいたように覚えています。今回は2回目なので、安心して、和やかな雰囲気で撮影が進んでいったんじゃないかと思います。すごく優しく色々教えてくれたりする、お父さんみたいな人です。

---大後さんについて

【行定】寿々は、『北の零年』からまだ3年くらいしかたってないのに、160センチになって、「こんなに大きくなるんだなあ」と思うじゃないですか。でも身長だけが大人になって、印象は変わってない。だから、これから変わっていくんじゃないかと思う。女優を続けていくならば、いいお母さん役をやれる女優になれる。それを目指して欲しい。年にあった役をおさえて、代表作をひとつずつ重ねていってもらう。彼女は「渋い」ですからね。どう考えてもアイドルみたいにならないわけですよ。自己評価をあまり高く持っていない。女優さんとか、自信を持つ時期と持てない時期があるものですが、この人は淡々としていて、器としてはとても面白いです。監督が望むものを「はい」といってやって、陰口をたたいたりしてるような感じじゃない。あまりそういうことがわかってないというか、その場その場を生きるというか。そこが女優としては一番重要なところ。器としては小っちゃくて、キャパが狭ければ狭いほどそれに対応できないのですが、この人の場合は、今自分ができることを体言してるというか、それがいい。10年後とか20年後とか、子供がいる年になったら、そういう役ができる渋い女優。(2/2)ページへ続く


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