ジョージ・キューカー
ジョージ・キューカー
George Cukor(1899-1983)

■脚本は書かない
 「マイ・フェア・レディ」の監督として知られているジョージ・キューカー。真の大御所とは彼のことである。実に51年間も映画監督として活躍。これはチャップリンに次いで二番目に長い記録である。作品の本数でいえばヒッチコック、マイケル・カーチス、ヘンリー・ハサウェイと並びトップクラスで、ほぼ年間1本の割合で作品に関わった。
 キューカーの面白いところは、一度も脚本を書いたことがなく、プロデュースも一切しなかったこと。それともう一つ、彼の作品には作家の個性というものがない。彼にとって監督の役目は、脚本を見てそれを面白い作品に仕上げること、それだけだった。
 クセがない分、突出した傑作もないが、しかし彼の作品は必ずヒットしている。30年代40年代は最盛期で、作った映画はハリウッド・スタイルを象徴するものばかり。キューカーは教科書通りに映画を作ることができる大職人だったのである。むしろハリウッド・スタイルを築いた張本人はキューカーかもしれない。

■間違いのない監督
 さすがにハリウッドで長年働いている大ベテランなので、何か大作の話がでると、決まってキューカーの名が候補にあがるのである。実は「風と共に去りぬ」(39)も当初はキューカーが監督していた作品であった。
 もっとも特筆すべきことは、75年に「青い鳥」を監督したことである。「青い鳥」は初めての米ソ合作となる作品であった。この監督に最も適した人物は誰かと考えたところ、キューカーしかいなかった。実績があり、無謀なことはせずに確実に良作を作れる監督。キューカーこそ、最も監督らしい監督だったのである。

■女性映画の巨匠
 女優である。キューカーが最も得意としたのは、女優の魅力を引き出すことである。どれだけのスターが彼の作る女性映画に出演したか。キャサリン・ヘプバーン、ジーン・ハーロウ、ノーマ・シアラー、グレタ・ガルボ、グロリア・スワンソン、ジョーン・クロフォード、イングリッド・バーグマン、ジュディ・ガーランド、エヴァ・ガードナー、アンナ・マニャーニ、ソフィア・ローレン、マリリン・モンロー、オードリー・ヘプバーン、アヌーク・エーメ、ジャクリーン・ビセット・・・。アカデミー賞の主演女優賞を必ず取らせてしまうほど、キューカーの映画に出演している女優達は素晴らしい。

31 心汚されし女
31 街のおんな
32 栄光のハリウッド
32 愛の嗚咽
33 晩餐八時
33 若草物語
34 孤児ダビド物語
35 男装
36 ロミオとジュリエット
37 椿姫
38 素晴らしき休日
39 舞姫ザザ
40 フィラデルフィア物語
41 女の顔
41 奥様は顔が二つ
43 火の女
44 ガス燈
47 二重生活
49 アダム氏とマダム
50 ボーン・イエスタデイ
54 スタア誕生
55 ボワニー分岐点
57 魅惑の巴里
57 野性の息吹き
60 西部に賭ける女
60 恋をしましょう
62 チャップマン報告
64 マイ・フェア・レディ
69 アレキサンドリア物語
75 青い鳥
81 ベスト・
フレンズ

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